戦略が動かないのは、“経営者の3つの誤解”が原因だった
- Centerboard 石原正博
- 6月24日
- 読了時間: 3分

企業の経営戦略が優れているのに、組織が動かない。
リーダーは懸命にビジョンを語っているのに、現場の行動が伴わない。
大手コンサルが支援しても、いまひとつ成果が定着しない。
それはなぜか?
結論から言えば、「戦略が伝わっていない」からだ。
そして、もっと正確に言えば──「伝わっていないこと」に気づいていないからだ。
■ 経営者が陥る「3つの思い込み」
多くの日本企業の経営者は、戦略浸透を軽視しているわけではない。
むしろ、自分では「戦略を語っている」と思っている。
だが、そこに3つの誤解がある。
① 「自分はちゃんと伝えている」という思い込み
全社キックオフや幹部合宿で語った。
スライド資料にもビジョンを書いた。
だから「伝えたつもり」になっている。
だが、伝えたことと、伝わったことはまったく別物だ。
経営の言葉が、現場に届いていないという現実に、まず気づくべきだ。
② 「優秀な一部が動けば、戦略は動く」という思い込み
「戦略を理解するのは上位数パーセントで十分。あとは実行部隊が動けばいい」
多くの企業が、そう考えている。
しかし、本当の戦略とは、組織全体が“なぜこの戦略に取り組むのか”を理解し、動機づけられる設計がなければ実現しない。
点の力では、面にはならない。
③ 「動かないのは、現場のスキルのせい」という思い込み
戦略が進まない理由を、「管理職が弱い」「社員の意識が低い」として終わらせてはいないか?
だが、それは伝わる構造が欠けていることの責任を、人に押し付けているにすぎない。
現場のせいではない。「伝わる仕組み」がないから、組織が動かないのだ。
■ 外部の専門家でさえ、見落としている
この問題は、外部のコンサルタントや経営学の専門家でさえ、深く踏み込めていない。
戦略系コンサルは「戦略の設計」には強いが、「戦略が組織にどう伝播するか」という浸透設計の構造的理解に乏しい。
経営学者や組織論の研究者は、「浸透」を一要素として語るだけで、それを企業課題の根幹とは位置づけていない。誰も「伝わらないことこそが、企業変革を阻む最大の壁だ」とは言っていない。
■ だから私は、「伝わる仕組み」にこだわる
私は、こう考えている。
企業が動かないのは、戦略が悪いからではない。
戦略が“伝わらない”から、動かないのだ。
そして、組織は伝えるだけでは動かない。
**戦略が「伝わる仕組み」**が必要だ。
人と組織と戦略がつながり、動き出す仕掛け。
これがなければ、どんなに素晴らしい戦略も絵に描いた餅になる。
■ すべては、「伝わること」から始まる
私は今、「GROWTH」という仕組みをつくっている。
それは、戦略が伝わり、浸透し、実行されるための共創プラットフォームだ。
もし、あなたの会社でも
戦略が思ったように進まない
組織の足並みが揃わない
社員の行動と経営の意図がかみ合わない
そんな状況に心当たりがあるなら、問題の本質は、「伝え方」ではなく「伝わる仕組み」がないことにあるかもしれない。
人と組織と戦略は、“伝わる仕組み”で動き出す。
今、そこに本気で取り組む企業が増え始めている。
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