検索
Centerboard 石原正博
- 2015年7月24日
東芝問題について
日本の名門企業、東芝に不正会計の問題が起きた。 第三者委員会の調査報告書を読むと、会計処理の実態、内部統制やガバナンスの状況など、日本を代表する企業として、極めてひどい経営を行っていたことが伺える。 そして「チャレンジ」と称して経営トップが無理な当期利益のかさ上げを要求し当期利益至上主義となっていたことや、社員のコンプライアンス意識の希薄、上司の意向に逆らうことが出来ない企業体質といった不正会計を引き起こした原因も浮き彫りになった。 調査報告書では、これらの問題への解決策として、経営刷新委員会の設置、ガバナンスの見直し、再発防止策、強力な内部統制部門の新設、監査強化といった提言がなされており、おそらく、東芝は再発防止に向けてある程度提言に沿った形で取り組みを始めるのだろう。 しかし今回、これで部分的には問題が解決するだろうと思う一方で、何かさらに重要な課題が抜けているような気もするのである。 余談だが、10年程前に不祥事を起こしたある自動車メーカーの社員と話す機会があった。 そこで言っていたのは、再発防止策は必要だが「何か表面的で根本の解決策には
164